
内科・消化器科
つかさ内科クリニック
胃・十二指腸と大腸に起きる病気とその違い
病気の種類は数多くありますが、ここでは日常的に頻回に見受けられる病気についてお話します。
胃の病気は多彩ですが、最も心配な癌は殆どの場合当初から早期癌として発生する為、あまり悠長に構える訳に行きません。その為、検診では1年に1度の胃透視の検査が主流です。慢性胃炎、胃潰瘍等の既往のある方は保険診療にて胃カメラにて精密検査を受けられる事をお勧めします。腹部症状がある方はその都度胃カメラや超音波検査等を受けて下さい。
胃潰瘍は基本的には癌とは無関係ですが、発生当初は癌との鑑別がつきづらい為、治療しながら癌が増殖してこないかどうか、慎重に数回の内視鏡検査で組織を採取しながら経過観察する必要があります。
十二指腸の病気は十二指腸潰瘍が主で、癌は極めて希ですから、胃潰瘍のように癌でないか注意しながら治療する必要はありません。但し、十二指腸の腺腫などの前癌病変や乳頭部癌(胆汁・膵液の出口の癌)は希に見つかる事もありますから、極力精査します。
十二指腸潰瘍の大部分、胃潰瘍の半数以上、慢性胃炎、更には胃癌の大部分がピロリ菌感染症が原因である事がわかっています。ピロリ菌は可能なら退治するにこした事はありません。ピロリ菌感染症の胃は内視鏡下の観察でほぼわかりますが、保険適用には潰瘍の存在と、組織採取、尿素呼気試験等の検査のうち一つによる確定診断が必要です。
さて大腸の場合、癌に関しては、殆どの場合、良性のポリープが長い時間をかけて大きくなり、その中に癌が出来て無秩序な増殖を始め、腫瘤(固まり)を形成するという経過をたどります。
検診などで行われる検便での便潜血は、この時点で初めて9割が陽性になります。また検便では機械的刺激などによる偽陽性も多い事は念頭に入れておく必要があります。癌家系等の家族歴や、胃や胆のうなど他の場所にポリープがある方も早めに全大腸の検査を受けて下さい。
大腸の場合は良性腫瘍が増殖して一部が癌化し、更に進行癌になるという経過をたどる事が殆どの為、一度検査して大きなポリープが無い事を確認すれば、念の為更に翌年検査し、何もなければ癌に関しては2〜3年間はほぼ安心できます。その後は小さくてもポリープがある方は2〜3年ごとの定期検査が必要です。大きなポリープがあって手術を行った場合は、まず翌年に経過観察の大腸スコープが必要です。腸がきれいになるまでは毎年検査が必要です。
なお、大腸でも良性腫瘍の癌化だけではなく、初めから癌が出来る事も希にあります。そういうものまで出来るだけ内視鏡で治療しようとすれば、胃と同様に毎年の内視鏡検査が必要になります。
一方、何も病気が無い方も2〜3年毎の定期検査が安心ではありますが、年齢等の条件によりもっと検査間隔をあける事も考えられます。
大腸癌の好発年齢は40〜50歳以降ですが、若い方でも炎症性腸疾患(難病指定)を初めとする疾患の可能性がありますので、症状や便潜血等の所見があれば、思い悩む前にまず検査を受けて下さい。
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